北海道新聞記事■石狩の旧・現53校、校歌をHPで公開 郷土研究会、4年半かけ収集 11/20
石狩市郷土研究会の取り組みが北海道新聞石狩版で紹介されました。
■石狩の旧・現53校、校歌をHPで公開 郷土研究会、4年半かけ収集 11/20
【石狩】石狩市郷土研究会(村山耀一会長)は、明治期以降の市内小中高全59校のうち、閉校した35校と現存する18校計53校の校歌の記録を集め、市内在住の歌手らに演奏・歌唱してもらって録音した校歌を同会のホームページで公開している。閉校した学校の校歌の記録は、卒業生を訪ねて探すなどして4年半かけて収集した。同会は「多くの人に『心のふるさと』を懐かしんでほしい」と話している。
■記憶の旋律頼りに採譜 オペラ歌手ら歌唱
校歌集めは、統廃合が進む市内の学校の歴史を残そうと、2016年4月に始まり、同会内に校歌部会を発足させた。旧石狩小の前身の寺子屋が1871年(明治4年)に本町地区に開設して以降、市内に記録が残る59校を対象にした。
41校は閉校しており、このうち12校分は歌詞はあっても楽譜が見つからず、会員らが捜索を開始。町内会の回覧板や市広報誌、新聞などで卒業生らに協力を呼び掛け、連絡をくれた人を訪問して、口ずさんでもらってメロディーを楽譜に起こす「採譜」作業を重ねた。41校のうち、樺太アイヌのために建てられた庁立来札尋常小(1904~06年)など6校は、卒業生らの情報から、校歌がなかったと判断した。
採譜した元音楽教師の高橋たい子さん(64)は「卒業生1人では思い出すのが難しくても、同級生らに集まってもらうと自然と口を突いてメロディーが出てきた」と振り返る。「校歌は心のふるさと。校舎がなくなっても、校歌さえ残っていれば友だちや先生の顔が思い浮かぶ」と話す。
集めた楽譜は関係者らに演奏・歌唱してもらって録音した。現存する学校は各校の児童・生徒が、閉校分は、市内の元地域おこし協力隊員のオペラ歌手今野博之さん(43)と妻くる美さん(43)が歌唱とピアノを務めた。
校歌の捜索にも協力した今野さんは「協力隊時代に見た市内の風景や人を思い浮かべて歌った。歌えて幸せだった」と話す。よみがえった校歌の録音を卒業生に確認してもらうと、涙を流す人もいたという。
校歌部会長の土井勝典さん(75)は「校歌には郷土への思いや子どもの成長への願い、教育への希望が込められていると感じた。遠く離れた人も、ホームページで校歌を聴いて懐かしんでほしい」と期待する。
同会は、楽譜と歌詞をまとめた校歌集も作成した。校歌集を希望する人は村山会長(電)0133・72・7489へ。(水野可菜)
実は取材を受けたのが11月3日。全道版掲載を予定していただいていましたが、コロナの影響で掲載スペースが確保できない状態が続き、結局、地方版と電子版に掲載されました。